La Revolution des paroisses

Bruno Restif, La revolution des paroisses (Rennes : Presses Universitaires de Rennes, 2006)

(1)2000年に在外研究でレンヌに滞在したときのこと、ぼくは博士論文を準備している何人かの大学院生と知合いになった。彼らはみな20代後半で、レンヌ第2大学に在学し、苦学しつつも資料収集に走りまわっていた。10時のティータイムに県文書館入口の自動販売機のコーヒーを飲みながら、昼食時に安レストランでケバブ・サンドイッチをかじりながら、あるいはMur de Bretagneの泊まりこみセミナーに参加しながら、研究や日常生活や教育や、その他いろいろなことについて、あーだこーだと論じあったものだった。その後ぼくは病を得て早期帰国を余儀なくされ、しばらくはつらい日々が続くことになったが、彼らとすごした時間は楽しい思い出として記憶に残っている。
(2)彼らのうち何人かは、その後博士論文を仕上げ、大学教員職を得た。この本は、そのひとり、ブリュノ・レティフ(現・ランス大学准教授)の博士論文の刊行バージョンである。この本でブリュノは、かつて「対抗宗教改革」と呼ばれていた現象を「カトリック宗教改革」として把握するべきことを主張し、そのうえで、ブルターニュ地方東部における同現象を、小教区における民衆の日常生活の次元で、具体的に描きだしてゆく。いかにもフランスの博士論文らしく、関連資料の「悉皆調査」にもとづく、すぐれてモノグラフィックな宗教社会史研究である(が、寝る前に布団のなかで読むにはちょいとヘビーだったか)。
(3)ブリュノをはじめとする彼らとは、さいわいにしてその後再会する機会を得、付合いが続くことになった。そして、この本を手に取った瞬間、あの2000年の日々が脳裏によみがえった。Felicitation pour ton livre, Bruno!!