『世界史なんていらない?』

南塚信吾『世界史なんていらない?』(岩波書店岩波ブックレット、2007)
いただきもの(なぜか徳田さん、サンクス)。

(1)ハンガリー史の大家・南塚さんが、高校世界史未履修問題を契機に、

  • 高校で世界史を学ぶ意義は、なにか
  • 高校で学ぶべき世界史とは、いかなるものか

といった重要な問題を考える一冊。コンパクトだが充実した内容だ……が、やはりブックレットはコンパクトすぎるという気がしないでもない……が、やはり480円+税という価格設定はステキだよなあ。

(2)かつてぼくも高校世界史について調べたことがあるが、その際

  • 「歴史」ではなく「世界史」でなければならない理由はなにか

という論点を視野に入れることができていなかったので、とても勉強になった。

(3)ただし、この本には

  • 歴史(あるいは世界史)を学ぶことは楽しいんだよーん

という点を意識化し、論理化し、言語化し、伝達しきれていないうらみが残る。もちろんこれは自戒を込めて言っているのだが、ぼくら歴史学界の人間が歴史を研究するなかで感じる楽しさを、教師としてどこまで伝達できているか、という、これはすぐれて実践の次元の問題である。
なーんて、えらそうな話しぶりだが、なにせ今年はじめていわゆる「パンキョー」の歴史の授業を担当し、おもに工学部と医学部保健学科の1年生諸君を対象に歴史を語っているもんで……。