『フランス革命』

柴田三千雄フランス革命』(岩波書店岩波現代文庫、2007、初版1989)
いただきもの。
おすすめ……と言うのもおこがましいが。

(1)日本を代表するフランス革命史家・柴田先生の手になるフランス革命の概説書。1989年に刊行されたものの改訂増補版だが、内容がほとんど古びていないことに驚かされる。そしてまた(かつて初版を読んだときには、なさけないことにまったくわからなかったが)この本といい、超問題作『近代世界と民衆運動』(岩波書店、1983)といい、柴田先生の本は、一見すると穏当で折衷的で綜合的だが、よくみるとかなりラディカルなアーギュメントをはらんでいる。たとえば

近代でありながら前近代的要素が払拭されるに残存する、ということはありえない。前近代の残存とみえるのは、「前近代」が近代に適合するよう改鋳されているか、あるいは故意に「前近代」に偽装して創造された近代である。存在するのはすべて近代である(309頁)

という一節なんて、いやはやまったくもって、もう……。

(2)去年が書き下ろし『フランス史十講』(岩波書店岩波新書)、そして今年がこの本……先生のバイタイリティに驚嘆する年の暮れ。