『近代統計制度の国際比較』

安元稔編『近代統計制度の国際比較』(日本経済評論社、2007)
いただきもの(石原さん、サンクス)。

(1)日本では「国勢調査」と称されるセンサスをはじめとするナショナルな統計制度の成立プロセスを、スウェーデン、ドイツ、イギリス、日本、日本植民地期の台湾について、比較史的な視角から明らかにする共同研究の成果。テーマがしっかりと絞られているせいか、この手の本にありがちな散漫さがないところがシブい。

(2)それにしても統計制度というと、ぼくのような素人は、どうしてもフーコーの「生−権力」つまり「バイオパワー」(ちがうって!!)論を想起してしまう。しかし、この本によると、実際はそんな単純なものではないらしい。とにかく

  • イギリスでは、センサスは、なによりもまず私的所有権確立のために実施された
  • 日本でセンサスが「国勢調査」と訳されたのは、予算をぶんどるためだった
  • 世界ではじめてセンサスが実施されたのは、スウェーデンだった

といった興味深い(&ぼくにはお初にお目にかかる)指摘がてんこ盛りの一冊である。