『考古学という現代史』

福田敏一編『考古学という現代史』(雄山閣、2007)

(1)戦後日本考古学史を、いくつかのエポックについて検討する書。「68年世代」というか「新左翼」というか「全共闘世代」というか、まぁそんな立場から、これまで《言語論的転回のインパクトを理解せず、戦争責任を隠蔽し、「平安博物館事件」に体現される68年代の問題提起を無視し、遺跡捏造を許してきた》主流派考古学者を批判する。

(2)提起されている問題は、もしかすると重要かもしれない。しかし、この本のアーギュメントは、ぼくの目には奇妙に共感をよばないものにうつる。たとえば

自分の存在に即して考古学を語る場合には、私が埋蔵文化財センターという、埋蔵文化財保存の理想からいえば存在してはならない組織に属している点を棚上げするわけにはいかないだろう。しかしいまは省略に従おうと思う(192頁)

といわれても、ねえ…「省略」はないでしょ「省略」は。