『女が男を厳しく選ぶ理由』

アラン・ミラー&サトシ・カナザワ『女が男を厳しく選ぶ理由』(伊藤和子訳、阪急コミュニケーションズ、2007、原著2007)

■「進化心理学」なる学問領域の入門書だが、タイトルのあやしさは措いておき、ドーキンスとピンカーを足して割ったという感じの一冊。性淘汰(ただし進化生物学の通説とは異なる定義が採用されている)を主に論じたがためにちょっと下ネタにふっているのはよいとして、「私たちの脳は、祖先の環境になかったものや状況を理解できず、私たちはそうしたものや状況に必ずしもうまく対処できない」(31頁)なる「サバンナ原則」はいかがなものか。これだと

  • 説明がうまくいったら「ほら、進化でしょ」
  • 説明がうまくいかなかったら「サバンナ原則ですから」

ということになり、なんでも説明できてしまう(=なにも説明していない)ような気がする。

■それにしても、ぼくはなんでまたこんな本を買ったのか……思いだした。次の本でSatoshi KanazawaのJournal of Psychology論文を引用するのだが、氏名をどう表記すればよいかを知るべくウェブを検索したらこの本がひっかかったのであった。大切なのは「著者紹介」だったのか……。