『リバタリアニズムと最小福祉国家』

橋本祐子『リバタリアニズムと最小福祉国家』(勁草書房、2008)
いただきもの(徳田さん、またもサンクス)。

アナーキズム(国家不要論)と所得再分配国家論のはざまに位置する「最小福祉国家」というアイディアを、公共財の理論やゲーム理論をもちいて擁護しようとする書。「はざまに位置する」というのは、本当に大変なことである。
■本書の内容と密接にかかわる、とぼくだけは思っているquestionをひとつ(ちなみに下の要約は記憶のみに基づいてるので、まちがってたらsorry)。

  • 理論経済学界の「アバンギャルド&パンク」ジョージ・アカロフは、【不完備情報】の一種たる情報の非対称性の仮定を根拠として、社会保障制度は公的な(つまり強制加入という)性格をもたなければならないと主張する。これは、あきらかに【福祉国家】を擁護する思想である。
  • これに対して、自由主義の権化フリードリヒ・ハイエクは、大略「他の人のことなんて、わかるわけねーじゃん」という【不完備情報】の仮定を根拠として、国家の役割を縮小するべきことを説く。彼にとっては【福祉国家】なんて問題外である。
  • 【不完備情報】という同一の仮定から、いかなるロジックをたどることによって、かくのごとく【福祉国家】に対する正反対のスタンスが導出されるか。とりわけ、両者の分岐点はいずこにもとめられるか。
  • 1000字以内で答えよ。