『ユダヤとイスラエルのあいだ』

早尾貴紀ユダヤイスラエルのあいだ』(青土社、2008)
いただきもの。
■たしかぼくの制度的な弟子(つまりぼくが元指導教員)でありながら、修士論文がいきなり『現代思想』に載り、博士論文も同誌に分載されたという、印税の額についても知識の該博さについても学界での知名度についても、どっちが師匠なんだか弟子なんだかわからない早尾くんの本が【ようやく】刊行された。博士論文の完成から6年、こらっ(と、ちょっと師匠ぶってみる)。
■その第一作は、イスラエル建国をめぐる思想史の流れを、とりわけデリダ、ボヤーリン兄弟、そしてサイードにインスピレーションを受けつつ分析&論じたもの。国民国家形成における【暴力】と【権力】の関係をしぶとく問い詰めてゆく、彼らしい一冊に仕上がった。でも、国民国家批判の先にあるものとして【ディアスポラ】を展望とするというのは、本当にいいのかそれで?(と、ちょっと師匠ぶってみる)