デジカメ

ようやく次著の最終ドラフト…と本人だけは思っているが、編集者さんからダメ出しが出たらどうしよう…を提出し、昨日から、3月にフランスで資料を撮りためてきた画像データの印刷&テクスト化を始める。
■かつて、それもぼくがこの世界に入る前のことだが、フランス近代史学における資料収集とは「文書館に行き、一次資料を筆写すること」だった、らしい。ちなみにコピーを依頼するという手もあったが、カネと時間がかかるという問題があった。20年ほど前、ぼくが文書館に通いはじめたころになると、ワープロ専用機やパソコンの普及が始まり、資料収集は「文書館に行き、ワープロ機orソフトを使って一次資料をテクスト化すること」になった。それが、ここのところ、デジカメの普及に伴い、資料収集とは「文書館に行き、一次資料をデジカメで写すこと」を意味するようになった。
■基本的にパソコンのもち歩きをきらう面倒くさがり屋のぼくにとって、これはすばらしきイノベーションである。なにしろ、短期の滞在であれば、デジカメだけもってゆけばよいのだ。ちなみに、長期だと、撮影した画像データを大量に保存しなければならないため、やはりパソコンが必要だろう。
■ところが、この作業には「手ブレ」という問題がつきまとう。文書館は基本的にフラッシュの使用を禁止しているし、パソコンを持ってゆかないため写りを十分チェックすることができないからだ。デジカメの画面でチェックできるといわれるかもしれないが、文書のチェックには小さすぎる。パソコンを持っていってチェックすればよいが、それは面倒くさい。画像処理ソフトで手ブレは補正できるという話もあるが、それにも限度がある。
■かくして、デジカメをもちいた資料収集を始めて以来、資料データの印刷&テクスト化はじつに心臓に悪い作業となった。なししろ「手ブレ」しているか否かが、ここで明らかになるからだ。大事な資料が「手ブレ」していたら、

  • またフランスに行く? 
  • なかったことにする? 
  • 目を皿のようにして解読する? 

いずれにせよ、昨日、またしてもドキドキものの日々が始まったわけである。