ディジョン滞在9日目

2月2日(火)
今朝は零下4度だったが、それですらなんとなく暖かく感じる。ADCOの開館を待っていた数少ない、じゃなくてたった一人の同志イザベル(ブルゴーニュ大学大学院法学研究科の博士候補生、旧体制期の法制史)なんて「昨日より、ずーっとマシじゃん」とか言ってるし、慣れとはコワいものである。
雪もふらないし、今日はマジメに昼食を取ることにした。マジメというのは、つまり、行きつけになりつつある、宿の隣にあるケバブ屋(トルコ式焼肉サンドイッチ屋)まで戻ってトルコ風ピザ(larmacun、「ラルマジュン」と発音するらしい)を買い、宿の部屋でジュースとともに食べる、ということである。
このトルコ風ピザ、トマトソースがぬってあるピザ生地を鉄板で焼き、生野菜(レタス、トマト、紫キャベツ、タマネギ)と焼肉(この店は牛肉)をのっけ、お好みのソース(ぼくは、マヨネーズと、ハリサという唐辛子ベースのソース)をかけ、くるりと丸めて「はいどうぞ」。ピザ生地自体は(冷蔵庫からとりだしてるので)業務用の出来合いのものにすぎないのだろうが、十分イケる。
例によって、平日はほとんど通いつづけているので、だんだん店員さんと顔なじみになる。トルコ人はひとなつこいことが多いような気がするが、ここでも「おお日本人か、日本人は働き者なんだってな」とかいわれて、どこかうしろめたくて「いやーそれほどでも……」とかなんとか、いまいちワケワカメな答をかえす毎日である。
ちなみに、別の日にいた店員さんからは「じつはオレ、アルメニア系でさ、ちょっとトルコで迫害されてフランスに難民申請して政治亡命してきたんだ。だからアルメニア正教徒なんだけど、これがねえ、教会がパリとリヨンにしかなくてさ、困るんだよな」とか身の上話をもちだされて、トルコとアルメニアの関係をほんの少し聞きかじっただけのぼくにとっても、重い歴史を想起させられる一瞬になったりするのだった。


これも歴史である。