ディジョン滞在25日目

2月18日(木)
本ブログの(数少ない)読者諸賢は、ここのところ中身が(常にもまして)薄くなっていることに気づかれるであろう。理由は単純で、日常生活がパターン化されてきたためである。

  • 7:00  起床&シャワーでムリヤリ目をさます&朝食。
  • 8:45   宿を出る。
  • 8:50   あっというまにADCOの入口に着き、寒いなか開館を待つ。
  • 9:00  ADCO開館の時間でございます。仕事を開始する。
  • 13:30  ケバブ屋に行ってラルマジュンを買い、宿に戻って昼食。
  • 14:00  ADCOに戻り、仕事を再開する。
  • 16:00ごろ  写真撮影に疲れはて、ADCOでの仕事をやめる。
  • 16:30  買い物をしつつ宿に戻り、ネットで日本のニュースをチェックする。
  • 17:00  元気なら『ルモンド』を買って部屋で読み、元気がなければ部屋で読書する。
  • 19:00  夕食。
  • 20:00  テレビでニュースをみる。
  • 20:30  読書を続ける。
  • 23:00ごろ  いつの間にか寝ている。

という感じ。これが続いているので、書くことがない。


閑話休題
とにかく肩こりがひどい。大体1000枚/日のペースで資料を写真撮影するようになったので、下を向いた姿勢で結構な時間をすごしているせいか、ものすごーーーーーーーーく首と肩がこるのであることよ。
しかーし。
あと仕事できるのは7日、絶対&なにがなんでも&とにもかくにも&ムリヤリにでも残りの資料をやっつけなければならないという、悲壮な覚悟の小田中なのであった。
もっとも、予定している箱を全部開けたとしても、前にも書いたとおり「市町村議会選挙・問題事例(1831-1944)」が残っているので、また来なければならないことにかわりはない。今度来るとしたら夏休みだろうか。
そんなわけで職員さんたちに聞いたら「夏休みは、ADCOは、職員の数は減るけど、閉館はしないよ」とのこと。「いや、じつは450箱開けるために夏休みに来ようかと考えているですが、来てもせいぜい1ヶ月、ということは一日あたり約20箱。こんだけ閲覧させてもらえるんでしょうか。保存庫から運んでもらうのが大変だと思うんですが」と、制度上の上限である一日あたり14箱をこえることもあるし、職員の数が減るということは一人あたりの負担が増えるということを意味するので、おそるおそる聞いたら、サンパなマダムたちから「ま、いいんじゃない。それがわたしたちの仕事だしね」という温かな、かつ当地フランスではめったに聞かれないオコトバ。

心温まる昼下がりとなった。
【追記】
今日は、珍しく閉館時間までねばった。いうまでもなく県議会議事録の撮影が始まったからである。一年間の議事録と知事報告書が印刷&製本されているが、あわせて大体600頁。これが19年分なので、一回で2頁分撮影できることを考えると、大体6000枚撮影しなければならないことになる。いやあ、考えるだけで肩と首がこってくるぞ。しかも、だ。それが終ると、想像もつかない郡議会議事録が待っている。
そんなわけで17時(閉館時間)ちょっと前に退出の準備をしていると、ジェレミー・ヘイホーがやってきて「ビールでも飲みに行くか?」。
ハイハイと二つ返事でオーケーを出す。
オペラ座前のカフェで「春のビール(biere de printemps)」なるものを前に「最近ADCOであまり姿をみないじゃん」と聞くと、「アーカイヴァル・ワークは大体おわったので、いまは資料分析をはじめてるんだ」とのこと。
なんでも来週火曜日から一週間、友人の結婚式に参列するためにカナダに帰るらしい。「先日はジュラにスキーに行ったっていうし、優雅じゃん」とからかうと、「アーカイヴァル・ワークが終ると、ディジョンにいてもねえ……」といいだす。
それじゃ、彼はどんなアーカイヴァル・ワークをし、どんな仕事を準備しているかというと、

  • 旧体制期ブルゴーニュの3つのバイイ裁判所の記録を読む。
  • そこに出てくる被告・原告・証人の生誕地と現住所をチェックする。
  • 両者を比較し、マッピングおよび統計処理することにより、当該時空間に生きた人びとの「社会移動」のあり方を明らかにする。

というものだそうな。
彼いわく「何年間か夏休みにディジョンに通い、さらに一年間サバティカルをもらったので、大体15000件あつめたかな。これでほぼコーパス(資料群)は出来たので、あとは分析するだけというところまでこぎつけたんだ。そこで資料分析を始めたんだけど、要するに自宅でパソコンに向かってるだけだろ、つまんないのでときどき息抜きにADCOに来てるわけ」。
いやあ15000件というのは、
すごすぎ。
本来は夏休みが終わるまでディジョンにいられるらしいが、きりがいいし、教授昇進の準備があるので、4月末でディジョン滞在を切上げて帰国するらしい。「そろそろカナダが恋しくなってねえ」だと。


フランス語ペラペラのジェレミーにそんなこといわれてもなあ……そしたらこっちの立場はどーなんのさ(って、なんの立場?)。