ディジョン滞在27日目

2月20日(土)
久々のノンビリした週末。

  • 朝7時から、ちゃんとコインランドリーに洗濯に行った。
  • 国鉄ディジョン駅に行き、来週のパリ行き(=帰国用)TGVの時刻を変更した。
  • FNACで本をあさったが、あまりなかった。
  • ディジョン美術館でヘンデルの無料コンサートがあると聞いて駆けつけたが、満員で入れなかった(=「無料」に賭けるフランス人の情熱を軽視していた)。
  • 来週ディジョンオペラ座で上演されるドニゼッティ愛の妙薬」の切符を買いにいったら、オンライン・システムが故障していて買えなかった(=フランスの機械の実力を理解しきってなかった)。
  • 小さな酒屋の店頭に(知る人ぞ知る)モンラシェのボトルが飾ってあったので、おもわず店内に入りこんで値段を聞いたら、なんと220ユーロ!! ウーム、さすがに二の足を踏む値段である(当然買わなかった=買えなかった)。


そんなこんなのたわいないドタバタのあいまに読んだのは、一昨日の『ル・モンド』別冊書評付録(Le Monde des Livres)で紹介されていたフロランス・オーブナの新刊『キストラム河岸』(Florence Aubenas, Le Quai de Quistreham, Paris : L'Olivier, 2010)。オーブナは敏腕かつ豪腕のジャーナリストとして高名だが、彼女が身分を隠し、失業者としてカン(カルヴァドス県)の職安に通った経験にもとづくルポルタージュである。そこでは

  • 中年女性失業者が自活しうる職業をみつけるのは、いかに大変なことか。
  • 職安で紹介されるのは大抵パートタイムの清掃業だが、その多くがいかに個人の尊厳をそこなう職場であるか。

といった重い主題が淡々とした筆致で綴られ、一気に読みきってしまった。
同書は、最近よくみかける「潜入物」の一冊ということになるのだろうが、ぼくが考えさせられたのは次の点だ……身分を偽るに際して、彼女は「専業主婦だったが、離婚して生活費を稼ぐ必要が生じた」という作り話を用いるが、これは、実際にしばしばおこりうる事態なのではないか。
もちろんぼくらの国でも。