【3/30】避難所というアポリア

仙台市では、基本的に公立小中学校が「指定避難所」として指定されている。「指定」というのは、そこには優先的に物資が配給されるという意味であり、その点でラストリゾート(最後の頼り)である。そして、このラストリゾートは、先生方と地域諸団体(町内会、赤十字奉仕団、PTA、民生委員・児童委員協議会など)と避難者の代表からなる「運営委員会」によって開設運営されることになっている。しかし避難所が学校にあるということは、その管理運営が最終的には先生方のしごとになるということであり、そこから色々な問題が生じることになった。とりわけ避難者さんの数が減り、避難所の閉鎖が話題に上るようになると、この「問題」が「矛盾」として爆発することになる。
娘の小学校の場合、当初は地域諸団体はほとんど機能せず(=自分のことで精一杯)、避難所のオペレーションを担う中心は、自動的に先生方ということになった。先生方は24時間三交替制勤務となり、プラス施設管理責任者として校長先生か教頭先生が交代で泊まることになった。
しかし、こんな体制は、長くは続けられない。先生方にも自宅があり、場合によっては自宅被災者である。年度末で、本務は(授業は中止となったが)メチャクチャ忙しい・・・というわけで、せいぜいが一週間、つまりは「戦時」と「戦後」までである。
娘の小学校は、震災当日の避難者が350人だったのが、幸いにも順調に減り、一週間近くたった三連休前には50人弱となっていた。先生方としては、三連休前に三交替制を解除し、復興期に入りたい、すなわちどうにかして避難所を閉鎖したい、というのが本音である。
しかし、問題は、この、避難所に残った人々である。その大部分は、身寄りがないとか各種問題を抱えているとかいった理由で他に行くあてのない、その意味では「残った」ではなく「残らざるをえなかった」人々である。いわゆる(ぼくは嫌いな言葉だが)社会的弱者なのだ。
さて、どうするか。

  • 先生方が心身ともにギリギリで、避難所運営という慣れない仕事から手を引きたいという気持ちもわかる。
  • その一方で、社会的弱者をラストリゾートからキックアウトするという選択肢はありえないだろう。

復興期になってこそアポリア(難問)が生じやすいことの、これは一例である。


皆さんなら、どうするだろうか?