モンペリエ滞在18日目

9月9日(金)
モンペリエ第一大学法学部の「伝統ある」新年度記念講演会があり、一般公開されるというので、聞きにいってきた。ADHの仕事でドタバタしていて昼食を食いそびれ、腹ペコのまま会場の法学部大講堂に到着。スピーカーは、前検事総長ジャン=ルイ・ナダル。「検察は政治家たちから独立した存在でなければならない」と(当然のことだと思うのだが)主張し、今年初め、悪名高い内務大臣(当時)ブリス・オルトフと対立して事実上更迭された硬骨漢である。
開始予定時間の17時になっても、なかなか始まらない。腹ペコだし会場は暑いしで、早く始まらないかと思っていたら、15分ほどたってからナダルを先頭に赤や紺のクラシカルなマントに身を包んだ法学部の教員たちの行列が入ってきて、会場は全員起立して拍手・・・という、じつに「伝統ある」というよりは「時代錯誤な」オープニングだったが、地方自治体、諸大学、さらには法曹や軍隊の代表者も出席していると聞き、ますます「時代錯誤」という判断に確信を持った。
ナダルの講演は「刑罰」をテーマとし、プラトン、ベッカリア、ベンサムフーコー、修復的司法などに触れつつ現代の「あるべき」刑罰の姿を整然と提示するものだった・・・と思うのだが、空腹と暑さで半分呆然としていたため、いまいち自信がない。結構ムズカシイ話だったのか、中座する一般市民や学生の姿も目立った。75分ほどかかって(ようやく)おわり、それなりの拍手。
ところが、司会の法学部長が「ありがとうございました。最後に、学生諸君にひと言」とふられるや、やおらナダルは「法治国家こそが人権擁護の砦である。法の番人となるべき諸君に期待する」と熱弁をふるいはじめ、終るや否や拍手大喝采。


ま、終りよければ全てよし。