ひろいもの

珍しく専門の話。
17日(土)は東洋大学でセミナーがあり、そぼ降る雨のなかを白山まで出向いて「戦後史学と社会運動史・再考」というお題でトークをしてきた。ちなみにコメンテーターは谷川稔・藤本和貴夫の両氏という豪華ラインナップである。
去年12月に谷川稔・喜安朗という、ぼくにとっての二大スターをスピーカーとするシンポジウムがあり、そのスピンオフとして出版企画がもちあがり、さらにそのスピンオフとしてセミナーが開催され、トークがまわったきた、いう次第。すべてはオーガナイザー岡本充弘さんのせい、じゃなくておかげである。
ぼくは、これまでかまけてきた(自分のホームグラウンド)近代フランス社会経済史研究のリハビリテーションに忙しく、それ以外のしごとは基本的に断っているのだが、今回は【あの】谷川さんが書くし【あの】谷川さんが参加するし・・・ということで、おもわずのってしまった。なにしろ谷川さんには、今を去ること20年近く前に、バスティーユのLeon de Bruxellesでムール貝とビールをごちそうになったという一宿一飯の恩義があり、断るわけにはゆかないのである。
そうはいっても「戦後史学と社会運動史」というテーマは、周辺のあれこれについてこれまでも書く機会があったので、ネタ切れの感があり、よれよれのトークになることは目にみえていた。それゆえ、じつはあまり気がすすまなかったのだが、折角なので、とりあえず出版用のドラフトを(ワインの力を借りて)でっちあげ、「この機会にブラッシュアップしてもらおう」という他力本願にして虫のよいことを考えて臨んだ3時間。
さいわい、谷川・藤本両氏はじめ、なぜかいつもぼくのトークに「存在(だけ)してくださる」石井規衛さんや、石井さんの愛弟子にして若手外国史学者でもっとも【切れる】(小田中評)池田嘉郎さんから、じつに有益なコメントが得られ、予想外の「ひろいもの」の時間となった。
さらに、帰りの「はやぶさ」が宮城県沖で発生した地震のため福島駅近くで停止&停電し、暗い車内で「おおこれは車中泊か?」とワクワクした、というおまけつきの一日だった。
Thanks a lot、岡本さん。でも原稿の締切が7月末というのは・・・それはちょっと、なにがなんでもなんじゃありませんか?