第2期角松科研プログラム、始動!!

昨日は、第2期角松科研プログラム、その名も「公法学からの市民社会への学際的・構成主義的接近」(なに、それ?)の第1回セミナーat上智大学
ちなみに同プログラムのメンバーは、第1期に引続き、代表者の角松生史くん(行政法、神戸)のほか、

  • 桑原勇進(環境法、上智
  • 横田光平(こども法、筑波)
  • 佐々木弘通(憲法、東北)
  • 山本顕治(民法、神戸)
  • 藤川久昭(労働法、青山学院)
  • 都築幸恵(社会心理学、成城)
  • 長谷川貴彦(西洋史、北海道)
  • 世取山洋介(教育法、新潟)
  • 小玉重夫(教育学、東京)
  • 進藤兵(行政学、都留文科)

の諸氏と、ぼく(社会経済史、東北)。このメンツ、専攻も勤務先もバラバラで・・・これをもって「学際的」と呼ぶのだろうか・・・いったいどうして集まったのか、参加しているぼくもよくわからないのだが、共通点は唯一「角松くんと接点があること」らしい(なに、それ?)。


初回は、桑原さんが近作「リスク管理・安全性に関する判断の統制の構造」(小早川光郎他『行政法の新構想』第1巻、有斐閣、2011)を、大略「原稿かいたの5年以上前なんで、だいぶ忘れました」と刊行裏事情を漏らしつつ報告し、リスクの問題についてあーだこーだと学際的に(?)議論。
それにしても桑原論文、たいてい「法学者の議論はこむずかしゅーて困るわ、まったく」なのだが、予想に反して(失礼!!)じつに面白かった。内容は、ぼくが理解したかぎりでは、

  • 不確定性の理解としては、確率分布がわかっているか否かを基準としてリスクと不確実性に二分するフランク・ナイトの所説が人口に膾炙しているが、このほかに、そもそもなーんにもわからない「不知」という範疇がある。
  • 不確実性については、(1)現状がわからないことと、(2)今後どうなるか合理的に予測できないことという、この2つの原因をわけて考察するべきである。
  • 不確実性に対処するべく「予防原則」という概念が導入されている。この予防原則を適用するにあたっては、適合性(手段が目的に適合している)・必要性(必要最小限度の手段にとどめる)・比例性(利益と不利益や、ある人の利益・不利益と別の人の利益・不利益は、つりあっていなければならない)からなる「比例原則」が尊重されなければならない。

という感じ。


昨年来さまざまな場面で「予防原則」という言葉を耳にするようになり、しかしてどうもおさまりが悪いなあと感じていたのだが、ようやくわかった。

ゲームのルールを変更しているわけだ。うむ。

予防原則とは、大略

  • 確率分布がわからない不確実性をとりあつかう際には、期待便益最大化ではなく、いわば最大損失最小化(つまりミニマックス?、マキシミン?)とでもよぶべきものがルールとして採用されるべきである。

という主張なのである(これであってる、ぼくの理解?)。もちろん採用されるべきルールが最大損失最小化しかないというわけではなく、たとえばサヴェジ基準なども採用可能だろう。
その他「予防原則にもとづくリスク管理には複数の均衡点があるのではないか」といった論点も出て、気付くと13階の会議室の窓の外に広がる東京の空は、いつのまにか夕方の空気になってたのだった。


気持ちいいなあ、たまにマジメに勉強すると。それじゃ3年間よろしく、角松くん。