お薦めの世界史本

さる方面(仮に『日経』としておこう)から、成人向けの世界史書籍、子供も読める世界史が学べるマンガ、家族みなで楽しめるビジュアルな世界史本、の3分野について、お勧めを各3冊ほどコメント付きで挙げられたしという依頼が来た。
ぼくの答えは以下のごとし。
『自由からの逃走』が世界史本かよ、とか、ビジュアル本のラインナップひどくね?、とか、色々とご批判はあろうかと思うし、ぼくも、ダイアモンドじゃなくて柴田三千雄『近代世界と民衆運動』か梅棹忠夫『文明の生態史観』 を挙げたほうがよかったんじゃないかとか、いろいろ考えなおしたい気がしてきているが、依頼メールを受けて10分で返信した内容にしては、ま、いーんでないかい。

[1]成人向けの世界史書籍 

  • 第1位:エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』

現代を特徴づける「大衆社会」の核心を明らかにした名著。20世紀を生きた心理学者による同時代分析は、21世紀を生きるわれわれに歴史的教訓を与えてやまない。

われわれをとりまく社会経済システムたる「資本主義」がヨーロッパで生まれた理由をアクロバティックに解明し、賛否両論を惹起しつづける問題の書。

分厚く長く若干散漫ではあるが、世界各地で文明がいかに成立・伝播したかについて新しい「ものの見方」をみせてくれて、刺激的。


[2]子供も読める世界史が学べるマンガ 

フィクションである。フィクションではあるが、しかし近代社会の出発点たるフランス革命のプロセスを精確に捉えた作者の眼力に脱帽。

古代ローマと現代日本を「風呂」の一言でむすびつけるとは、まさにコロンブスの卵、二十数世紀の時空をこえて、さすが。

かなり脱力系ではあるが、大上段に振りかぶっていえば、世界史の理解に不可欠な「比較宗教学」の入門書なのである。


[3]家族みなで楽しめるビジュアルな世界史本

  • 第1位:カール・ジンマー『進化大全』

とりあえず字は読まずに写真と絵だけで、さまざまな生物がおりなしてきた地球の歴史のすごさを感じればオッケーではなかろうか。

  • 第2位:清川昌一『地球全史』

ジンマー『進化大全』が生物からみた地球の歴史なら、こっちは大地、つまり無生物からみた地球の歴史だ。是非どちらかにワクワクしてほしい。

  • 第3位:思いつかず。なさけなし。