Busanと書いて「プサン」と読むのか。

先週末は、今月末にソウルで開くセミナーの事前打ち合わせをするため、釜山まで往復してきた。朝鮮半島と聞くと何故か「寒い」というイメージがあるため、厚手のコートを着込んでいったが、彼の地はなんと最高気温22度というステキな小春日和で、暑がりのぼくはコートを脱ぎ、セーターを脱ぎ、シャツを脱ぎ、結局は半袖Tシャツ一枚という季節外れのスタイルで3日間を過ごしたのだった。
釜山は、前に一度(20年近く前のことだが)慶尚北道ツアーをした際に空港や駅を通過したことがあるが、本格的に滞在したのは初めてだったので、ここのところのドタバタな日々で「お疲れモード」ながらも興味津々状態。晴れた日には対馬がみえるという「すぐそこ」なのに、こんなに違う/こんなに知らない空間が広がっていることに、自分の無知を思い知らされた。
ちなみに泊まったホテルは旧市街、打ち合わせ相手のChun Jin-Sung(思想史、国立釜山教育大学)のオフィスは市の北の外れ、彼の自宅は新興住宅地である海雲台に各々位置していたため、広大な釜山市内をJin-Sungの車で駆けめぐることとなった。あちらこちらに巨大な青空市場がある旧市街は「アジアの雰囲気」にみち溢れていたのに対し、海岸沿いに高層マンションが立ち並ぶ海雲台地区はほとんど東京湾岸のノリで、これほどまでに対照的に2つの地区が同じ自治体内に共存しているというのが、じつに面白かった。とりわけ前者では、市場エリアの内外に屋台が立ち並び、人々がウィンドーショッピングする狭い道路に車が進入してきてクラクションを鳴らし、あちらこちらから魚や野菜の匂いがやってくるという、昨年はじめて訪問したバンコクを想起させる空気と熱気と匂いが漂っていて、なんというか「違うもんだなあ」と感じさせられた。
もっともJin-Sungの話では、韓国でも若年層の就職難をはじめとして様々な社会問題が噴出しているそうで、その辺ではわれらが日本とシンクロしているようだ。
事前打ち合わせは順調に進み、ソウルでは韓国西洋史学会の前会長Lee Young-Soekさん(イギリス史、全南大学)という大物のトークを聞かせていただけることになった。「韓国における西洋史学の現状」という無茶振りのお題なのだが、さいわいLeeさんは夏までサバティカルで滞在していたケンブリッジで同テーマのトークをこなしたところらしく、手元にペーパーがあるとのこと。いやはや、ホントにホントに小規模(想定参加者はひとケタ……)のセミナーなのに、わざわざ光州から来てくださるとは、ひたすらにもったいない限りである。
11月30日(土)10時から、場所は当初予定されていた漢陽大学から慶煕大学に変更して開催される日韓合同セミナー「東アジアの西洋史学」(日本学術振興会委託研究事業)。Leeさんに対するに、日本側のディスカッサントもまけじと長谷川貴彦くん(イギリス史、北海道大学)+古谷大輔くん(スウェーデン史、大阪大学)という、これまた豪華にして「なぜこの二人?」なラインナップ。エヴリバディ・ウェルカムゆえ、興味をおもちの向きは詳細を小田中まで問い合わせられたし。