ソウルの週末。

「ま、ヒマだろう」と考えて自分で用事を入れまくった(当社比)ところ、JSPSから山なすオシゴトを頼まれて旅行三昧の日々となった11月をどうにか乗り切り、最後の旅はソウル。これが終わると、12月は東京に3回+京都に1回行けばよいので、楽だ……が、考えてみるに、年が明けると豪雪の深川(北海道)にでばり、そのあと2月前半の2週間と3月一杯はフランスで過ごすことになっている。ほとんど仙台にいない春になるということで、あれまあ、なんというか。
そんなわけで、金曜日にソウルに出かけ、慶煕大学で韓国の西洋史学者諸氏とワークショップをしてきた。ソウルは仙台から直行便が(4便/週に減便されてしまったが)あるので楽だし、週半ばは寒気が入って素敵に冬だったようだが週末は(ソウルにしては)おだやかな陽気となり、さい先よし。ワークショップではLee Yon-Sukさん(光州大学、イギリス史)[追記:確認したらLee Young-Sokさんだった]が戦後韓国の西洋史学史についてトークをしてくださり、あれやこれやと(途中からはレストラン、というよりは食堂に場を移し、昼食のナクチポックム=手長ダコ炒めとビールを前にして)議論が続き、たいへん楽しい&有意義な時間となった。
Leeさんによれば、戦後韓国西洋史学史は、「封建制から資本主義への移行」に関心を寄せた第1世代、「資本主義経済分析&社会運動史」を重視した第2世代、そして「なんでもあり」の第3世代に時期区分できる。これは日本におけるトレンドによく似ているが、ただし日本では「封建制から資本主義への移行」と「資本主義経済分析」は同じ世代が担い、「社会運動史」はその次の世代のキーワードだったから、そこは違う。さて、この異同をどう説明するべきか……云々という疑問が生じたので、また色々と意見を交換したいものだ。
日本側からは、多忙な日々をぬって、古谷大輔(大阪大学、北欧史)、長谷川貴彦(北海道大学、イギリス史)、佐藤静香(東北大学、韓国労働経済)の3氏が参加。古谷さんと佐藤さんの酒豪ぶりに驚き&呆れつつ、ソウルの夜は更けるのであった。
会場を準備してくださったPark Jin-Binさん(慶煕大学、アメリカ史)、わざわざ参加してくださったYeum Un-Okさん(イギリス史、東大駒場で博士号)[追記:確認したら高麗大学客員教授のYeum Woon-Okさんだった]、そして全部の準備を担当してくれたChun Jin-Sung、サンクス。ぜひ来年東京で再会しましょう……って、Jin-Binさんとは年内に京都で会うらしい。世界は狭い。


そんなソウルであるが、もっとも印象深かったのは、ちょっと時間ができて中心市街地をそぞろ歩いているときに通った貨幣金融博物館(旧・朝鮮銀行本店)前の地下道。入る際にふっと入口のうえを見たら「シェルター」と書いてある。そう、ここはまだ、いわば「準戦闘地域」なのだった。