滞仏7日目(金):Chacun(e) a Sa Propre Histoire.

フランス滞在4週間のうち、最初の1週間が終わった。しごとの進み具合は、というと……イマイチである。なんとなくこうなることは予想していたのだが、それにしても、ウームである。

  • エロー県文書館:一昨年郊外に移転したのだが、移転に際して最新の管理システムが導入された。ところが、これが、じつに使い勝手が悪い。話しだすと長いのだが、たとえば、閲覧者証が廃止され、ユーザーIDとパスワードですべてが済むようになった……のはカッコいいが、文書館のパスワードなんて覚えてるか、普通? しかたなく、イチからやり直しである。
  • ガール県文書館:全面移転のため、しばらく閉鎖されている……と思っていたら、新規開館したとのこと。そんなの知らなかったぞ!!、って、これは自分が悪いのだが、今回は行けそうもない。
  • モンペリエ市文書館:閲覧したい資料が整理されていないことがわかった。しかも、カタログも出来ていないらしく、これではお手上げ。結局、職員さんの好意で「キーワードを伝え、関連しそうな資料のリストを作成してもらう」ことになった……のはよいのだが、問題は「リストがいつ出来るか」である。今回の滞在中に作成してもらえるかというと、作業量(膨大)と時期(バカンス中)と雰囲気(ここはフランス)を考えると、予想は悲観的にならざるをえない。

ま、ここは「Ca ira(なるようになる)」ということで、自分を慰めよう。
そんな金曜日、モンペリエ市文書館の午前の閲覧室担当職員さんはカティアさん(仮名)。ヒマさえあれば(というか、閲覧者は基本的に数人しかいないので、閲覧室担当はヒマなのだが)大声で私用電話をするのが玉にキズだが、はじめて会ったときにアルジェリア菓子を(飲食禁止のはずの閲覧室で)ごちそうしてくれたので「許そう」と思わせる、百%フランス的にサンパで陽気な、かなり太めの(ここ重要)アルジェリア移民の中年の女性である。
それにしても、ここのところ姿をみなかったので「どうしたんだろう?」と思っていたが、ひと仕事終えて一服していたら「ひさしぶり」と声をかけてきた。なんと、糖尿病性昏睡で死にかけ、しばらく入院していたとのこと!! 退院してリハビリし、頭と体を動かしたほうがよいという医師の診断に従い、今週から職場復帰したんだそうだ。しばらく「それはムリしない方が……」などと相槌を打ちながら苦労話を聞いていたら、最初は「退院後は言葉が出なくて、大変でね。一か月で15キロ痩せたんだよ」などとスゴイ話をニコニコしながら語っていたものの、だんだん感極まったのか、最後は大泣き状態と相成った。
ひとに歴史あり(Chacun/Chacune a sa propre histoire)。
カティアさんの大声の私用電話も、しばらくは我慢しなきゃなるまい。元気になったという証拠だからね。