滞仏9日目(日):セト(Sete)に出かける。

相変わらず好天のモンペリエ、せっかくの日曜日ということで、西隣にある町セト(Sete)に出かけてきた。ちなみにモンペリエからセトまでは各駅停車(TER)で20分である。
トコトコと歩いてモンペリエ駅に着いたら、ちょうど「まもなくマルセイユマドリード行きの特急が到着します」というアナウンスがあり、鉄道ファンの血が騒ぐ。フランス・スペイン国境付近の高速線の建設が終わり、直通列車が走るようになったのである。

利用車両はTGVと同一だが、塗装がスペイン国鉄renfeのものになっている……なんて、ま、諸賢にはどうでもいいか。
さてセトだが、トゥルーズと地中海をつなぐミディ運河の地中海側の終点となる港町として、ルイ14世の命によって建設された(らしい)。ラングドック地方特産の毛織物やワインの輸出港として18世紀から19世紀にかけて繁栄したが、ステキな商工会議所【「consulaire」とあるので、当初は海関かと思ったが、今も商工会議所として利用されているらしいので、多分こっちの意味だと思う。ちなみに商工会議所や商事裁判所関係の形容詞も、なぜか「consulaire」である】が当時の繁栄を偲ばせている。

もっとも第二次世界大戦中に空爆にあってかなりの建物が破損し、現在目にする街並みは戦後に再建されたものである。
地中海とトー湖(Etang de Thau)に挟まれ、サン・クレール山(Mont Saint Clair)の周りに開かれたセトは、各種の地図をみればわかるとおり、とても複雑な地形をしているが、観光案内所で「サン・クレール山には歩いていけるよ」といわれて本気にしたら、ものすごい坂道で、まいりました。好天ということもあるが、帰りの下りの坂道の途中でメマイがしてきたのは、これは体力不足のせいだろうか、それともトシのせいだろうか。
ちなみに、これまた観光案内所で、セトの最大の見どころは「市場(Halles)」といわれて「はて市場とは、こはいかに?」と思ったのだが、実際に行ってみて納得。港町なので主に魚介類が売られているのだが、貝や甲殻類をその場でさばいてくれて、そこら辺に並んでいるテーブルで食べることができるのだ。いわゆる「海の幸の盛り合わせ」というやつである。おまけにワイン(白ワイン一杯1.9ユーロ)も注文できるし、これはステキだ……が、ぼくは帰りの電車の時間が迫っていたので断念し、名物のパイ「ティエル(tielle、イカのトマトソース煮が入っている)」をお土産に買うのが精いっぱいだった。次回はぜひ試してみたい。
しかしティエルのノリからもわかるとおり、これってほとんどイタリアンな世界である。じつはセトにはナポリからたくさんの船乗りが移民してきたという歴史があるそうで、なるほど。
色々と勉強になったが、疲れた一日。3時間近く歩きまわり、足が棒のようになり、それでも見どころの20%(当社比)もカバーしていないんじゃなかろうか。とにかく暑すぎるぞ、まったく(贅沢)。