これが「メディアリテラシー」というやつなのだろうか。

閑話休題
①今朝のNHKニュース(ウェブ版)で「海外の高校生、日本への修学旅行が大幅増」という心和むタイトルの話題が取上げられていた。タイトルをみると、お〜〜〜〜っと、これは日本経済にとっては明るい話ではないか!!

 
②ところが、記事の本文を読むと、どうも「?」マークが点りはじめる。そもそも最初の文からして

高校生の国際交流について文部科学省が調べたところ、平成25年度に修学旅行で日本を訪れた海外の高校生は2万8000人余りと、前回、東日本大震災が発生した年の調査と比べておよそ8割増

というのだが、「8割増」はよいとして、「前回」は「東日本大震災が発生した年」ではないか。また、さらに読みすすんでゆくと「前回、調査が行われたのは東日本大震災が発生した年だった」といったフレーズが頻出する。かくして前回調査の2011年度は「例外事例」なのではないか、という疑問がわいてくるのだ(このへんインテリっぽくってステキだぞ、自分)。


③それじゃ元データにあたってみよう。記事の元は文部科学省高校生の留学生交流・国際交流等に関する調査研究等」だが、ここをざっとみると、外国からの修学旅行生の数については、2004、2006、2008、2011、2013の5年分のデータがわかる。この5年の実数は、というと、
17743(2004)==>30343(2006)==>33615(2008)==>15916(2011)==>28663(2013)
となる。


④さて、このトレンドをどう評価するべきか?

  • 2008までは順調に増えていたのが、2011は震災のせいで大幅減。
  • 2013は回復したが、2008の水準には至らず。

というところだろう。


⑤それではNHKの記事をどう評価するべきか。

  • 「前回、東日本大震災が発生した年」・「前回、調査が行われたのは東日本大震災が発生した年だった」・「震災で途絶えがちだった国際交流が徐々に活発になっている」といった言及がある本文は、なかなかフェアでよろしい(これ書いてなかったらアウトだぞ)。
  • 「海外の高校生、日本への修学旅行が大幅増」というタイトルは、どうころんでもミスリーディング(例外事例と比較するなよ。せいぜい「回復」だろうに)。ちなみに画面のテロップ(ウェブで確認できる)で「約8割増」が赤字で強調されているのは、おひおひ。

というのが、ぼくの感想。じつに上から目線である。


そんなこんなで、メディアリテラシーの重要性を改めて感じる春の朝の一幕也。