帰国準備

あっというまに3週間がすぎ、明日は帰国である。日本は完全に熱帯雨林気候化したらしいが、フランスも暑い夏になった。とくにリヨンなど内陸部は大変なようで、昨日のリヨンの最高気温は40度。まこと「日本並み」である。
南部に位置するモンペリエも当然熱く、じゃなくて暑く、今日の最高気温は38度。湿度が低くて乾燥しているのが救いだが、こんな天気が続くと、週末に観光に出かける気力も失せてくる。もともと観光嫌いだし、この時期の週末はバカンス客の移動で鉄道も大混雑だし……というわけで、今回の滞在では『モンペリエから1時間以内』とかいうハンドブックをもらい、先週は内陸部の村サン・ギエム・ル・デゼール(Saint Guilhem-le-Desert)を訪問し、今日は海辺の町ヴィルヌーヴ・レ・マグロヌ(Villeneuve-les-Maguelone)に出かけた、以上(キッパリ)!!、となった。
ともに現地滞在時間2時間以内、「行った、見た、帰った」というシーザーも真っ青の弾丸観光ツアーである。


前者はアルルとサンチャゴ・デ・コンポステラを結ぶ街道沿いにあり、9世紀以来の教会(下の写真)で知られる。ナントカいう偉い人(<==歴史学者にあるまじき形容詞)が隠遁した場所にふさわしい山の中の小さな村だが、一応は観光地。
モンペリエからだと、場末にあるバスターミナルからバスで1時間。ターミナルまでトラムで1ユーロ、バス代が1.6ユーロで、合計2.6ユーロ=350円、ということは往復700円。なんと財布にやさしい旅であろうか。
村のなかは歩いて15分ですべてオッケー、あとは(フランスの町には必ずある)中央広場のカフェでビールを飲んで一休みし、帰りのバスを待つのであった。





後者は地中海沿いにある島に立てられた大聖堂(下の写真)で知られる。モンペリエ駅からバスで30分、そこでバスを降りると自転車ステーションがある。ここで無料の自転車を借りてひたすら走ると、15分ほどで大聖堂に着く。大聖堂見学時間10分という不信心ぶりをいかんなく発揮し、自転車ステーションのおじさんを「もう帰ってきたのか?」と驚かせてしまった。
このおじさんは元自転車屋さん(今は退職して悠々自適)だが、モンペリエ最大のアブナイ地区(地名はヒミツ)で四半世紀以上自転車屋を営んでいたとかで、ぼくがモンペリエの都市史をリサーチしているというと「よく自転車が盗まれる地区でねえ、で、そこで自転車を売ってたわけさね」とかまされた。
ちなみに、隣にある観光案内所の職員さんは、ひとりがモンペリエ大学に留学してそのまま居ついて20年というポルトガル人の女性=当然話し好き、もうひとりが日本のマンガ大好き少女。そんなわけで、結局、ぼくを加えて4人で、炎天下のもと、パラソルの下にイスを並べ、モンペリエの都市計画とか、ラテンアメリカの現状とか、フランスのマンガ事情とかについて、延々としゃべることになった……ら、バスを何台か逃してしまった。
うーむ、観光より、人としゃべるほうが楽しいなあ。ま、そんなもんである。


さて、荷物も作ったし、あとは帰国するのみ。羽田から仙台までが鉄道なのでメンドイが、仕方あるまいて。