中国、上陸。

国際歴史学会でコメンテータを務めるべく、中国は山東省・済南に着いたところである。自宅を出てから24時間、同じ東アジアなのにフランスと同じくらい遠いのはなぜか……というと、まず羽田に出て一泊し、仁川で乗換え、さらに済南国際空港からホテルまで苦労したからなのであった。
なにせ羽田発が6:25、ということはチェックイン締切が5:25、ということは羽田に泊まる以外に道はなく、でもぼくのうしろに道は出来るはずで……と、4時起きの眠い頭でわけのわからんことを考えつつ、どうにか仁川にたどりつく。
と!!
トランファーの入り口近くにアヤシイ人影がみえるではないか。なんと、それは同学会で報告する池田嘉郎氏なのであった。旅は道連れゆえ「これであとは万全」と思いつつ、乗継の4時間を氏とすごす。
ちなみに、羽田・仁川間で隣に座ったのは、北京大学医学部に留学中で、夏休みで帰省したのち(仁川経由で)北京に戻るところだという若き日本人女性。彼女とも仁川でしばらく話しこんだが、タフネスぶりに感服・完敗である。
が!!
好事魔多し。「肝心の」済南国際空港到着後に、池田氏と、あっさりはぐれてしまった。待っても待っても税関出口から氏が出てこないのである。
しかたなくタクシー乗り場に出向き、いちばん前にいた運転手さんに(中国語を話せないので)ホテル名を告げると、「イーパイウーシー」という返事。どうも「150元でどうだ?」といっているらしい。学会事務局からは「相場は120元」という通知が来ていたので「イーパイ?」つまり「100?」と返すと、中国語でガガガガガとまくし立てられる。どうも高速に乗るのでねとか、冷房付いてるのでねとか、そんなことを言っているらしいが、まったくわからない。先方は中国語しかわからず、ぼくは中国語がわからないという、これがホントにホントのディスコミュニケーション。もっともミニマムはケータイの翻訳機能でカバーできるんだね、パトラッシュ。ぼくは知らなかったよ。そんでもって、こんなとき結局「オーケー」と言ってしまうのは、当然ながら気の弱い日本人たるぼくなのであった。でも、ちゃんとホテル前まで寄せてくれたし(当たり前か)、荷物持ってくれたし(当たり前か)、良かった良かった、と、自分を納得させる済南の夕方也。
ちなみにホテルにはデパートが隣接しており、雨が降ってきたこともあってデパ地下を探検してみたら、ちゃんと弁当を売っていた。疲れていて(中国語はなせないし)外食する気もおこらないので、ラッキーとばかりに買い、ホテルの部屋で地元のビールとともに食べる。ところが、どうにもコメがボロボロしていて固く、食べにくい。中国のコメはこんなにまずいのか?、と、偏見丸出しで食べすすむうちに「ウーム、この食感、どこかで覚えがあるなあ」。そう、電子レンジ用の弁当なのであった。人口600万人の省都の実力を侮ってはならない。
初の中国、初手からヘロヘロである。