中国の思ひ出

仙台はすっかり秋で、最高気温20度前後という……あの夏はどこへ行ってしまったんでしょうね、かあさん。そんなわけで、済南との気温差約10度にすっかりやられてしまって鼻をグスグスいわせつつオフィスに通う9月である。せっかくなので(何が?)初の中国&ICHS体験について書き残したことを、箇条書きしておこう。適宜加筆あり。

  • そういえば、大会会場である山東ホテルではグーグルにアクセスできなかった。これが噂の「万里の長城」というやつか、と、検閲の不便さを感じるひととき。ところが宿泊先のソフィテルでは、ウェブ情報を60日保存するという条件付きではあるが、グーグルを含め全ウェブにアクセスできた。山東ホテルは政府系のホテルだが、やはりそういうところでは検閲がきついらしい。
  • 検閲といえば、パブリック・ヒストリーに関するセッションで、フェイスブックを利用したプロジェクトに関するトークがあったが、それに対してフロアの中国人研究者から「フェイスブックには検閲はないんですか?」という質問。それに対して、胸を張って「ありません」と答えるオーストラリア人トーカー。「多様な歴史観が存在しうるには、開かれた社会((c)カール・ポパー)が必要です」と上から目線で教訓を垂れるベルギー人司会者。素朴なユーロ・セントリズムというか、なんというか。こんなことでいいのか、万国の歴史家諸君?

  • ピーター・マクフィは、現在ぼくがリサーチしているモンペリエの隣にある県(東ピレネー県)の19世紀史に関するモノグラフでデビューしたオーストラリアの歴史学者だが、ICHSを欠席した理由は何か? 山崎耕一さんに聞いたら「ビザを取り忘れたんだって」だと!! マジか?
  • 帰国日、ホテルの玄関を出たら、全身金色(ホントに)のメルセデス・クーペが停まっている。ロビーには結婚式に向かうカップルがいたので、披露宴用の車かなと思い、コンシェルジュに聞いたら「ホテル滞在中のお客様の車です」だと!! マジか?
  • 済南でよくみかける「ユニマート(UniMart)」。検索したら台湾資本のコンビニで、24時間オープン。ぼくが毎日夕食を買っていたデパ地下の食品街も、よくみたらユニマートだった。ちなみに三角サンドが6元(120円)、電子レンジで温める弁当が10元(200円)、ちょっと高級な菓子パンが8元(160円)、100%オレンジジュース(300cc)が7元(140円)、地元ブランドのビールが一缶5元(100円)という感じ。ほとんど日本並み。うーむ、中国の経済状況をどう理解するべきか、悩む経済学部教師なのであった。
  • 済南市教育委員会職員宿舎の敷地内を彷徨ったという話をしたが、岡本充弘さんによると、特定の区画を区切って集合住宅を建て、入り口に守衛を置き、そこを通らなければ出られないようにするという都市計画スタイルは、1970年代(だったかな?)によくみられたものらしい。要するに入口を閉めてしまえば外に出られないわけで、これって統治の技術((c)ミシェル・フーコー)なんだね、パトラッシュ。ぼくは知らなかったよ。
  • 金曜日夜、「歴史と倫理」セッションを終えて宿泊先に戻るため、山東ホテルでタクシーを呼んでもらった。すぐに来たので「我想去済南索菲特銀座大飯店(ウォ・シアン・チー・ソヒテル)」とかいいながら乗ったら、ホテルの敷地を出たところで突然停車。タクシーを探している別の客がいて、運転手と交渉を開始するではないか。交渉成立で、一気に乗合タクシーに大変身するボロボロのフォルクスワーゲン。ぼくが先に下車することになり、いくらか安くなるかなあと思ったら、しっかり取られた。済南のタクシーは信用しないことにする。
  • 次回のICHSは2020年だが、開催地として立候補していたのはアテネヘルシンキポズナン。本命はヘルシンキだったらしいが、土曜日の総会の投票の結果、なんとポズナンが当選。5年後はポーランドか……悪くない。