知は力である・パート2。

【11月8日追記】
日本学術振興会・学術システム研究センター(JSPS-RCSS)人文学班・社会科学班の合同学術動向調査(通称「修学旅行」)で九州大学九州国立博物館を訪問して仙台に戻り、本論で取上げたアンケート中止問題が『朝日新聞』とNHKニュースで、もうちょっとくわしく取り上げられたことを知った。ともに地域版なのが残念だが、いまは地域版でもネット経由で全国に広がるんだね、パトラッシュ、ぼくは知らなかったよ……というのはくどいか。
くどいな。
うん。
それにしても、2つの記事を比較すると、

  • たった9件で、それも同日着といういかにも組織的な行動の所産と思しき、ショボイ批判的意見を「相次いだ」と表現する。
  • 「安保関連法(戦争法)の目的は米国が行う戦争の肩代わりと言われるが、どう思うか」という設問をわざわざ「安全保障関連法に《戦争法》と付け加えた上で、《目的はアメリカが行う戦争のかたがわりと言われるが、どう思うか》といった質問」と書換えて「戦争法」という文言を強調する。

といった、

どの口が「政治的中立性」というか、どの口が・あ・あ・あっ

といいたくなるNHKの秘めたる政治的中立性軽視の姿勢が垣間見え、とても興味深い。


【11月6日追記】
どうにか関学シンポジウムの予習としてコンラート・ヤロシュ他『砕かれし過去』(Konrad Jarausch, et als.,Shattered Past, Princeton: Princeton UP, 2003)を斜め[<--ここポイント]読みきり、さて、そろそろ編訳『「批判的転回」以後の歴史学』解題執筆に向けたフランス史学史お勉強の開始である。


【本文】
今朝、地元紙『河北新報』に目を通していたら、ちょっと気になる記事が目にとまったので、次のような質問の手紙を宮城県教育委員会高校教育課に送る。
まずは知ることから始めたい。
……って、われながら早っ!! このパワーを自分のしごとにも(以下自粛)。

宮城県教育委員会高校教育課担当者御中
東北大学で副理事(学生支援担当)・総長特別補佐(学生支援担当)・大学院経済学研究科教授をつとめております小田中と申します。職務柄からして、本県の高校教育とりわけ社会関連教育のありかたに対しては深い関心をもってまいりました。本日2015年11月6日付け『河北新報』掲載記事「柴田農林高安保法全校アンケート/『表現不適切』、校長謝罪」に関連していくつか伺いたいことがあり、本状を差上げる次第です。
記事によれば、
・10月16日に実施された文化祭に向けて社会科学部がおこなった全校生徒向けアンケートに「安保関連法(戦争法)の目的は米国が行う戦争の肩代わりと言われるが、どう思うか」などの表現があった。
・10月26日、それに対して「内容が偏向的な気がする」という指摘が、保護者以外から複数あった。
・10月29日、後藤武徳校長が、生徒に対して「政治的中立性を欠く不適切な表現だった」という文書を配布した。
・おそらく『河北新報』の取材に対して、貴職は「社会的に見解が分かれる課題は一面的な指導にならないよう教員の配慮が必要だった」と回答した。
とのことでした。
記事をみるかぎりでは色々と不明な点がございますので、それらについて確認いたしたく、以下4点ほど質問をさせていただきたく思います。
[1]「内容が偏向的な気がする」という指摘が「保護者以外」から「複数」あったとのことですが、具体的にはどのような立場の方から、何件ほどあったのでしょうか。個人情報保護義務に差しさわりのない範囲で、ご教示いただければ幸いに存じます。
[2]「と言われる」という慎重な言回しを用いている当該表現について、校長が「政治的中立性を欠く不適切な表現」と判断し、また貴職が「一面的」であると判断される理由はいかなるものでしょうか。ご説明いただければ幸いに存じます。
[3]本県の県立学校教育における「政治教育の中立性」の定義はいかなるものでしょうか。ご教示いただければ幸いに存じます。
[4]本状は小職の私用ウェブサイトに掲載する予定でおりますが、頂いた回答も掲載してよろしいでしょうか。ご回答いただければ幸いに存じます。
ご多忙のところお手を煩わせ、大変恐縮に存じますが、ご回答をお待ちしております。