桜とともに『マル経入門』を読む。

あっという間に仙台も桜の開花宣言が出された。そんな今日は3月33日、ぞろ目で目出度い土曜日である。一部に今日は4月2日という報道もあるが、これは、なんとしても2015年度を終わらせ、万事をフォーマットしたいという一部諸氏の歪んだ願望が物象化した俗説のなせる業に違いない。


うーむ、なにが言いたいんだ、自分? エイプリルフールはとうに過ぎているぞ。


とにかく、モンペリエ市文書館で撮影してきた資料をディスプレイでにらむ毎日を送っているので、眼精疲労が半端ない。

  • ぼくの撮影技術の低さと、
  • 利用しているデジカメ(普通のコンパクト)の性能の低さと、
  • そして文書館閲覧室の暗さを反映して、

ピンボケの頁が多いこと多いこと、泣きたくなる。
おまけに(「嬉しいことだが」というべきながら)みるべき資料の数が多く、やってもやっても終わらない。6月末までに全部読み、分析し、ストーリーを構築し、フランス語でドラフトを書き、仏文校閲に出せるのだろうか……チョー不安である。


そんななか、ちょっと時間が出来た(というか、資料読解から逃避したくなった)ので、松尾匡・橋本貴彦『これからのマルクス経済学入門』(筑摩書房・筑摩選書、2016)を読む。松尾さんが理論的部分(ただし、これが本書の大部分を占める)、橋本さんが実証的部分を担当した、マルクス経済学の入門的テクストブックである。

しかし、これはすごい!!

いやあ、松尾さん渾身の一冊というべけんや。
とにかく

  • 階級・疎外・唯物史観といったマルクス経済学のキーワードを説得的・論理的・アクチュアルに再構築し、
  • 社会を「ヒトとヒトとの関係」から捉えるべきことを説いたうえで、
  • 現代社会の諸問題を分析するためには「価格に着目した交換理論」すなわち新古典派経済学ではなく「労働価値に着目した分配理論」すなわちマルクス経済学……古典派経済学全般と言ってもよいかもしれない……のほうが有効であると主張する。

という、センス・オブ・ワンダーをかきたてられる内容。
頭のなかで諸概念のブロックがカチカチと論理的に組みあがってゆく、そんな感じを与える一冊である。


ぜひ、2015年度のうちに。