一難去って、また(さらにデカい)一難。

ぼくらの業界では「黄金週間」と書いて「じぶんのしごとのかきいれどき」と読むことになっているのだが、ことしはチョー「かきいれどき」となった黄金週間前半戦。気づいたら、はやくも後半戦である。
せっかく先月末にソウルで『国民を書く(Writing the Nation)』シリーズ書評フォーラムがあり、出ばってトークして一難去ったはずだというのに、なんでこうなったのか? じつは、さらにデカい一難が降ってきたのである。

  • ソウルで再会したシュテファン・バーガー(ドイツ、ルール大学ボーフム校)から、仙台に戻る日の朝に「7月初めにボーフムで歴史叙述関連のワークショップやるから、トークしに来ないか?」というメールが届いたのが、そもそもの始まり。
  • 6月末締切の「ホームグラウンド」=現代フランス都市史関連のペーパーを書かにゃならんので、他のことに気を回す余裕はないのだが、添付されていたプログラムを見ると、ひとりあたり質疑込みで30分と大したこともなさそうだし、たまには本場のビールとソーセージとジャガイモを試すのも悪くないだろうし、バーガーいいやつだし業界の大物だし、と軽く判断してオッケーしたのが、運のつき。
  • そもそも、この手の話には、だんだん話がデカくなる「三段スライド方式」((c)小田中直樹、ちなみに、ぼくらの世代には懐かしい「伊東に行くならハトヤ」は「三段逆スライド方式」)が付き物である。そんなわけで、若干の不安を抱いていたところ、オッケー後に届いたRA(リサーチ・アシスタント、研究補助学生)のピアからのメールを見て、ビンゴ!!
  • なんと、事前に4000-6000ワードの英文ペーパーを準備して送付すること、とある。しかも、さすが几帳面なドイツ人らしく、脚注と文献リストの形式(アメリカ心理学会スタイル、だと)まで指定されているという丁寧さ。出版でも念頭に置いてんのか?
  • さらに、ペーパーの締切が6月1日とは、オー・マイ・ガッ!! 聞いてねーぞ。
  • 判断力に欠ける我が身を呪いつつ、しかし、ここまでくると、いまさらあとには引き下がれないではないか(引き下がりたいけど)。
  • そんなわけで、4月29日に黄金週間(じぶんのしごとのかきいれどき)に入るや否や、号砲一発、一日500ワードをノルマとして、旧ソ連社会主義労働英雄よろしくペーパーを殴り書く日々が始まったのであった。まさにゲルマン魂である(違うか)。
  • 朝一番に書きはじめ、昼すぎにその日の分を書きおえると、もう頭が完全なガス欠状態で、まったく働かなくなる。しかたないので昼酒から昼寝、そのまま夜寝、というパターン。当然、顔は仏頂面、態度はけんか腰、周囲はピリピリである。
  • し・か・し。正義は必ず勝つ!! 
  • なんと5日間で4500ワード書上げ(でっちあげ、ともいうが)、昨日、推敲してから、無事、英文校正に出したのであった。いちにちへいきん900わーどってすごい、こんなじぶんをほめてあげたいとおもいます。

これで今日から晴れてホントの黄金週間(じぶんのしごとのかきいれどき)、胸を張って現代フランス都市史に戻れることになった……が、はっきり言って、頭はヘロヘロである。できれば温泉にでも行って命の洗濯をしたいのだが、ホント。
ちなみに肝心のボーフムは、ぼくの勤務先が(当然)まだ授業期間中ということもあり、成田・デュッセルドルフ経由で3泊5日。ワークショップは3日間なので、どう考えても、きっと「逃げ場なし、休みなし」の日々となることであらう。