団結は力なり。

イスラム原理主義者のテロが止まらないここフランスであるが、7月もニースでトラックの暴走、ルーアン近郊で教会立てこもりと、人命が失われる事件が相次いでいる。それでは現地の雰囲気はどうか?、というと、

  • それなりにピリピリはしているが、シャルリ・エブドやパリ連続発砲事件のときとは、ちょっと違っているような感じがする。つまり、かつての事件は、イスラム国のメンバーによって計画され、十分な準備の末に決行されたテロだった。これに対してニースやルーアン近郊の事件は、個人が(一見)突発的に決行し、後出しで「イスラム国に忠誠を誓う」とかいうメッセージが出てくる、というプロセスを経ており、集団テロというよりは個人犯罪に近い。そんなわけで、大規模な計画的テロに遭遇する可能性は低下したが、その一方で、個人レベルの小規模な犯罪に巻き込まれる可能性は増加した、という感触。個人的にはダッカでおこった事件のほうが怖いなあ。
  • 個々の事件の「個人犯罪」化に伴い、かの「キリスト教・ヨーロッパvs.イスラム教・オリエント」という対立をあおる、極右勢力お得意の言説がパワーを失っている感がする。それに代わって「イスラム教穏健派がキリスト教会と組み、イスラム原理主義派と対抗する」という図式が、少しずつ姿を現わしつつある。ルーアン近郊の事件は教会が舞台となり、神父が犠牲者となったが、その後、各地の教会では、イスラム教穏健派のイマームが司祭・神父と肩を並べて祈りをささげるという光景がみられる。教会に集ったクリスチャンとムスリムの目の前で、である。楽観は許されないだろうが、潮目が変わりつつあるのではないか? 使い古された言葉かもしれないが「団結は力なり」なのである。


そんなわけで、今日(日曜日)は「団結は力なり」を実感するべく(?)モンペリエ近郊のフロンティニャン(Frontignan)で開催された「マスカット祭り」に出かけてきた。



ちなみに、これが市役所前広場。へたくそな写真だが、奥にみえるのが1895年建立の市役所、広場の真ん中にはプラタナスの巨木がたち、その下には広場周辺のカフェのテラスが立並ぶという、典型的な南仏の田舎町(フロンティニャンは人口2.5万人)の光景である。


フロンティニャンは、マスカット種(フランス語で「ミュスカ」)を使った甘口ワインであるミュスカ・ド・フロンティニャン(muscat de frontignan)で有名であり、この「マスカット祭り」では、飲めや歌えやの宴会が、一日中街中でくりひろげられる。ぼくも朝から三時間ほど試飲と試食に励んだが、厳戒態勢の「げ」のじもないまま、なんの問題もなく過ぎたのであった……が、とにかく暑いのは、これはしかたがないか。