燃え尽き症候群

あっという間に晩秋というか初冬の仙台。
10月は、もう「燃え尽き症候群」としか言いようがない日々であった。肩から首にかけてバリバリのガチガチで、上半身がストレートジャケット状態ゆえ、対向者をヒョイヒョイと避けることができない。そのため、相手とぶつかりたくなかったら、歩くスピードを落とすか、かなり以前から相手の行動を読みつつ歩くか、あるいは人ごみを避けるしかない。これは疲れるし、ナカナカつらかった。フィジカルな問題があるとは思えないので、どうみても、経済史教科書執筆がラストを飾った「頑張った(当社比)日々」の反動だろう。11月に入り、ようやく、ちょっと首が回るようになった。トシはとりたくない……が、とるものはとるのである。

そんななか、今日は、ひさしぶりに東北大学・西洋史研究会の大会(at東北大学)に参加。なんたって共通論題のタイトルが「ゲノム研究は歴史を変える」であり、トークとして

  • 太田弘樹(北里大・医):ゲノムデータから人類史を読み解く方法
  • 西秋良宏(東大・総博):西アジア発「新石器革命」とその拡散
  • 米田譲(東大・総博):骨の科学分析からみた「新石器革命」
  • 中山一大(自治医大・分子病態治療研究センター):農耕・牧畜成立に関連するゲノム多様性

が並び、参加料が1000円ポッキリというのだから、これは「聞かなきゃソン」である。
基本的にはゲノム科学にもとづく考古学・人類学の立場から、紀元前8000年代に西アジアで開始された農耕・牧畜・定住、いわゆる「新石器革命」にアプローチするという企画で、理科音痴のぼくにはツライところもあったが、

  • 新石器革命を経ると、男性の遺伝的多様性が一時激減した(男性間における権力構造の成立を示唆)。
  • 同じころ、ヨーロッパでは乳糖耐性遺伝子が、東アジアではアルコールダメ遺伝子が、おのおの広まりはじめた(農耕の開始との関連の存在を示唆)。
  • 遺伝距離と地理的距離の関係の性差は、父系社会か母系社会かという社会構造のありかたと相関していた。

などなど、眼からウロコがポロポロおちる話が満載。新石器革命は、経済史教科書を書く際にちょいと勉強したので、すさまじく面白かった。燃え尽きた灰にムリヤリ点火するには絶好の機会となったような気がしないでもなくはないといえなくもない、か……って、あれ(「ない」の回数を数えると)これじゃダメじゃん。