歴史屋の性(さが)。

月曜日から二週間の予定でモンペリエに出かけることになった。台風の吹き返しで東京は強風が予想されており、また新潟から沿海州という通常飛行ルートが台風を追いかけるかたちになるため、はたしてフライトが予定通りに出発し、予定通りにCDGに着くのか、一抹の不安が残る。

とにかく最悪でも予定通りに着いてくれないと、わしゃー困る。というのも、フライトのダイヤがちょっとかわり、CDG到着が17時すぎ。そのせいで、CDG発17:58のモンペリエ行き最終TGVに乗継ぐ時間が理論上は1時間もないという事態になっているのだ。とりあえずすべての荷物を機内持ち込みとし、CDGに着いたら全部持って機内からダッシュで飛び出し、動く歩道をひんしゅく買いながら走り、入国審査をじりじりと待ち、税関をスルーし、エレベータで降り、CDG-VALで国鉄駅に移動し……これで1時間弱かよ、おい。すでに気が遠くなっているワタクシである。

ちなみに、ダメだった場合は、近郊鉄道RERでパリにむかい、シャトレで乗継ぎ、リヨン駅に出て20時ごろ発のモンペリエ方面最終TGVに乗るというプランBも準備してあるのだが、これはやっぱメンドイよなあ、うん。

今回の主要課題は、エロー県文書館AD34でエロー・アビタHH(旧・エロー県低廉住家賃宅公社[OPHLMDH])の理事会の議事録と議事資料を読んでくることである。いま勉強している低廉家賃住宅「ラ・ペルゴラ」はOPHLMDHが建設し、維持管理してきたからだ。AD34が週4日しか開館しないので、8日で120箱。当該資料は大体200箱あり、今回で全部やっつけたいところだが、一日当たりの出庫数に上限があるので、これはムリ。したがって、残り80箱は春休みのお楽しみとせざるをえない。

ま、とにかく、これらは「だれも(=資料作成者とアーキヴィスト以外は)手を付けていない」まっさらな資料なので、どんなものか、なにが出てくるか、いまからワクワクしている。このワクワク感って、歴史屋の性(さが)だ。もちろん、そのあとには、このワクワク感をなるべく広く共有してもらうべく、さまざまなリクツを後付けする作業が残っている。ちなみに、ぼくは「日曜歴史家」((c)フィリップ・アリエス)ではないので、リクツの構築は、さきに「後付け」とは言ったが、きわめて重要であることにかわりはない。

とにもかくにも歴史屋は、資料みてナンボ。「なんで、あんな汚い紙をみてワクワクできるのか?」と言われるかもしれないが、それを説明できないところが歴史屋の歴史家たるゆえんなのだよ、ワトソン君。