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モンペリエ滞在12日目

…ている)1キロ泳ぐより疲れた。こってりしたフランス料理の食べすぎで太ってきた気がする観光客の方々には、エクセサイズとしておすすめではある。 しかしアヴィニョンは完全に観光地で、サンベネゼ橋も元教皇庁も、最後はお土産屋を通らなければ出られないようになっている。でもなあ、ちょっと、しかし、それは・・・。 ちなみに日本は台風らしいが、アヴィニョンも低気圧接近で天気はいまいち・・・というわけで、速攻でモンペリエに戻ってきた土曜日。そろそろ明日の洗濯にそなえるとするか(早すぎるって)。

『読書教育』

辻由美『読書教育』(みすず書房、2008) 活字業界に生息する諸君、おすすめだ!! フランスでは、一種の「読書教育」として、一般の青少年を審査員とする文学賞が企画されている。この、活字業界に生息するものならば興味をもたずにはいられない現象を、いくつかの賞に即して追跡する一冊。とりわけ「高校生ゴンクール賞」の顛末をおいかけた第1章は、ルポルタージュとしてどえりゃー面白いのみならず、いちおう活字業界に隣接する領域で禄を食むものとしては、いろいろと考えさせられる&ヒントになる。

『入門政治経済学方法論』

…新報社、2008) おすすめ。 ■ものすご〜〜〜く割切っていうと【スタンダードな経済学の手法をもちいた政治研究】を意味する(本当か?)政治経済学について、統計、シミュレーション、実験、モデル化、事例研究、世論調査、あるいは規範分析といった方法論を解説する書。「入門」と銘打っているからには初心者むけなのだろうが、それにしては結構つっこんだ話が満載で、じつにグッドな企画である。とりわけ対話形式ですすめられる第0章「政治経済学方法論のために」が、アヤシくて秀逸。 ■それにしても、か…

『「心」が支配される日』

…摩書房、2008) おすすめ。■現代日本社会の深層ですすむ動向に警笛を鳴らしてきた斎藤さん久々の新作は、一言でいうと「道徳教育批判」。斎藤さんの現状認識に対してはいろいろと異論があるかもしれない(が、ぼくはほとんど異論ない)が、『心のノート』監修者・河合隼雄さんや「歌舞伎町浄化作戦」推進者・竹花豊さんにインタビューするなど、そのルポルタージュ能力は健在で、まこと圧倒される。 ウェルカムバック、斎藤さん。 ■それにしても、だ。小学校3年生の娘をもつ親としては、本書でふれられてい…

『歴史への問い/現在への問い』

…) いただきもの。 おすすめ。■著名な日本経済史学者・大門さんは、あまり知られていないかもしれないが、もっともすぐれた歴史関係の論客のひとりでもある。ぼくは、彼のアーギュメントを読むたびに、納得したり首をひねったりしながら、いろいろなことを考えさせられてきた。そんな大門さんの評論集が届いたので、ようやく時差ボケがとれてきたこともあり、一気に読みきる。 ■大門さんによれば、 一世を風靡した【国民国家論】は、近年の【新自由主義】のはらむ問題点を指摘し、いわゆる【新自由主義史観】に…

『ハロッドの思想と動態経済学』

…評論社、2008) おすすめ。 ■自宅の新築と職場の耐震改築工事が重なったため、むこう一年間で4回の引越し(自宅-->仮住まい、研究室-->仮研究室、仮住まい-->自宅、仮研究室-->研究室)が予定されているという、悪夢のような一年となってしまった。その第一弾が日曜日にあり、疲労困憊……トシだよね、トシ、とボヤきつつ、いわゆる「ハロッド=ドーマー・モデル」を提示した今日的経済成長理論の祖ロイ・ハロッドを、生涯、思想(経験論哲学、功利主義)、経済理論など、さまざまな側面から分析…

『新保守主義の作用』

…んでしょうか?)。 おすすめ。■サッチャリズムを「新保守主義」の基点とし、中曽根、ブレア、そしてブッシュJR.の新保守主義性の程度を測定する一冊。新規な概念が頻発するせいか、不思議と読みにくい第一印象なれど サッチャー登場以前のイギリス政治は「二大政党制」ではなくて「二層政党制」だった。 中曽根政治の基本は、文化的コミュニティとしての日本国民の存在に対する楽観主義だった。 ブレアは「ワン・ネイション」という観念をアプロプリエイトすることによって優位に立った。 ブッシュJR.は…

『山田盛太郎』

…評論社、2008) おすすめ……ただし「ヤンマーヘーレン」と聞いて笑える人限定。■20世紀日本経済学界がうんだ最大の快著/怪著の一冊たる『日本資本主義分析』(1934)の著者・山田盛太郎の評伝にして、彼の経済思想の解説書。 マルクス主義、他ならない講座派マルクス主義が、モダニズムが近代主義に転換していく上での、旋回基軸の役割を果たしていた(213頁) という指摘に、ふかく納得する。 ■そして、なによりも、難解で有名な『分析』のテクストを分析し、そこに【マルクス主義+構成主義+…

『国際立憲主義の時代』

…波書店、2007) おすすめ。■国際法とりわけ国際機構法の専門家、というよりも快著『人道的介入』(岩波書店・岩波新書、2001)の著者として知られる最上さんの論文集。『人道的介入』はセンス・オブ・ワンダーと学問的切実さにみちあふれた一冊だった記憶があるが、今度の本は、「国際法」という、いまだに得体の知れない(?)対象を扱っているためか、アーギュメントは単純ではない。 しかし、なによりも、「オレだけが正しい!!」とばかりに自説を声高に叫ぶ輩(それはわたしです、ハイ)ばかりが跳梁…

『個人の連帯』

…草書房、2008) おすすめ。■快著『左派の挑戦』(木鐸社、2001)の著者・近藤さんの第二作は、「アイディアの政治」・「フレーミング」・「パス(経路)形成」などをキーワードにもちいてイギリス・ブレア政治を読みとく、これまた快著。 ■頁を繰ると ブレアは「平等vs.不平等」という政治的対立軸を「包摂vs.排除」に置換した。 また、福祉国家の課題を「積極的貧困予防」あるいは「投資による機会平等」においた。 さらに、この福祉国家の存在理由を「リスクの集団的管理」にもとめた。 その…

『20世紀ファッションの文化史』

…房新社、2007) おすすめ。(1)ファッションを社会のなかで捉えるべきことを主張し、ファッション(デザイナー)が社会に与えたインパクトと社会の趨勢がファッション(デザイナー)に与えた影響との相互作用のなかで、著名なデザイナー10人の業績をえがきだし分析する一冊。とにかく目からウロコが落ちまくることうけあい。 とりわけ、あらためて川久保玲のすごさを教えられる……が、そんなエラそうなことをのたまいながら、ぼくはコムデを一着ももってないのだった。(2)ちなみに、この本にも出てくる…

『中国思想史』

…007) いやー、超おすすめ。これはスゴい。(1)年末も近くなり、今日はオフ……って、そもそも日曜日だって。でも明日は職場でしごとをする予定なので、あまりノンビリした雰囲気はない。(2)たまたま大学生協書籍部の店頭で手にとった(大学生協書籍部、もうちょっと品ぞろえ頑張ってくれー!!)この本を読み、ひたすら驚愕。中国思想の概説的な通史という体裁をとっているが、目のつけどころといい、時代区分といい、おそらくはまったく新しい中国史の見方を提示しようとしている、じつに野心的な一冊とみ…

『国境を越えた村おこし』

…T出版、2007) おすすめ……こりゃどえりゃーおもしろーていかんわ。(1)先日名古屋で話を聞いて面白かった阿部健一さんのエッセーが載っているということで、さっそく購入して一読。東南アジア各地で国際開発の実践にたずさわっている日本人NGOワーカーたちの手になる体験談エッセー集だが、大学やめてNGOつくってタイに移住しちゃった人あり、東チモールのコーヒーを売りに阪神百貨店にのりこんだ大学教員あり、と、どれもすばらしすぎ。とにかく 国際開発NGOの活動は、楽しくてナンボ。 国際開…

『フランス革命』

…) いただきもの。 おすすめ……と言うのもおこがましいが。(1)日本を代表するフランス革命史家・柴田先生の手になるフランス革命の概説書。1989年に刊行されたものの改訂増補版だが、内容がほとんど古びていないことに驚かされる。そしてまた(かつて初版を読んだときには、なさけないことにまったくわからなかったが)この本といい、超問題作『近代世界と民衆運動』(岩波書店、1983)といい、柴田先生の本は、一見すると穏当で折衷的で綜合的だが、よくみるとかなりラディカルなアーギュメントをはら…

『源氏物語と東アジア世界』

河添房江『源氏物語と東アジア世界』(日本放送出版協会・NHKブックス、2007) おすすめ。(1)国風文化の代表作とみなされてきた『源氏物語』を、大略「東アジア世界のなかの日本」という観点から読みとく一冊。ヒトもモノも情報も、『源氏物語』には大陸(とりわけ渤海国)渡来がたくさん含まれているじゃないですか、というのである。うーん、しらなかったことばかり。(2)……であるが、作文は続く〜よ〜ど〜こまでも〜。

『革命ロシアの共和国とネイション』

…) いただきもの。 おすすめ。(1)ロシア現代史研究のホープたる池田さんの博士論文の刊行バージョン。 ソ連(ソヴィエト社会主義共和国連邦)はなぜ「共和国」だったのか? という「コロンブスの卵」的な疑問から、モスクワを対象とする実証研究をすすめるなかで、 ロシア革命は身分制を破砕し、均質な個人からなる政体たる「共和国」をつくりだした。 そのことによって、レーニンをはじめとする共産党エリートは「国民形成」という課題に直面した。 その一方で、身分制社会がもたらした有機体的な社会観は…

『国家の罠』

佐藤優『国家の罠』(新潮社・新潮文庫、2007、初出2005) おすすめ。(1)いわずと知れた「外務省のラスプーチン」佐藤さんの回想録。佐藤さんの本はこれまでどういうわけか遠慮していたが、文庫化されたのを期に一読。内容も驚かされることばかりだし、登場人物はほとんどすべて実名だし、 面白すぎる!! と、食わず嫌いを反省した文化の日。

『スティグリッツ教授の経済教室』

…スティグリッツ『スティグリッツ教授の経済教室』(藤井清美訳、ダイヤモンド社、2007) おすすめ。(1)いわずと知れたノーベル経済学賞受賞者スティグリッツが某誌に連載しているコラムを、過去5年分まとめた日本オリジナル編集版、らしい。グローバル経済化、経済格差、アメリカの経済政策、環境問題などについて(ぼくのような!!)素人にもわかる説明がなされている……が、じつは、個々のコラムの含意は深く、射程は長い。そんなわけで、ぜひ秋の夜長にじっくりと時間をかけて読んでみたい一冊である。

『学歴社会のローカル・トラック』

…思想社、2001) おすすめ。(1)島根県立横田高校の3年生(1993年3月卒業)の1クラスのメンバーについて、時系列的で悉皆的な定量的&定質的調査をもとに、彼ら中山間地域の青少年たちの約10年間のライフコースをおいかける書。どこにでもいそうな優等生たちの、ごく普通のライフコースが、わりと淡々と描かれるのだが、教育社会学の研究としてべらぼーに面白い。こんなしごとがあったなんて、われながらまだまだ勉強不足である。それにしても、台風一過で好天の日曜日、なぜぼくは大学に来て書類を作…

『複雑適応系における熱帯林の再生』

…水書房、2006) おすすめ。(1)誤って窓を開けたままで寝たら、速攻で風邪である……って、当たり前だって。 さて、なぜ購入したかよく覚えていないのだが、フィリピンで導入されている《コミュニティを基盤とする、採取林業から育成林業への転換》という政策の成功条件を探るべく進められた、理論的な分析とフィールドワークの成果を、布団のなかで読む。プリゴジンとか適応戦略とかミームとか、色々なタームが(もちろん著者の関さんは意図的に採用しているわけだが)頻出して若干面食らうが、要するにこれ…

『学力を育てる』

…波新書、2005) おすすめ……って、いまごろ?(1)東大を辞めて大阪に戻った教育社会学者・志水さんが、「人種や階層的背景による学力格差を克服している学校」たる「効果のある学校」のヒミツを探るべく、大阪の「効果のある学校」2校を参与観察した成果。そこではセーフティネット/社会的関係資本の重要性に十分目配りした集団的な学習メカニズムが計画的・意図的に設計され、機能している、という。それ以外にも「学力」について多角的な考察がなされており、新書とは思えない充実した一冊である。娘の小…

『ヴェーバー社会理論のダイナミクス』

…未来社、2007) おすすめ。(1)一見、版型も小さいし、学術的で地味な一冊である。まぁもとが博士論文なのだから、それも当然だろう。ところがその実は、 「自立した個人を称揚するノー天気な近代主義者」と、「システム社会化の果ての《鉄の檻》の到来を予言した悲観論者にして、それに対抗するために《戦士》を待望したマッチョな英雄主義者」という、既存の2つのマックス・ヴェーバー像をともに退け、 彼のアーギュメントを「英雄的でもないがたんなる歯車でもない、それぞれが小さなプライドを抱えて生…

『近代日本の社会的差別形成史の研究』

…石書店、2007) おすすめ。(1)名著の噂は聞きながら怠慢で手にとっていなかった『ミナト神戸 コレラ・ペスト・スラム』(学芸出版社、1989)の増補版。増補版出版を機にようやく一読したが、どえりゃーおもしろーていかんわ。もっと早く読んでおけばよかった。(2)そもそも明治期日本で黒死病が流行した!!、というのが、黒死病といえば中世ヨーロッパというパブロフの犬的知識しかないぼくにとっては驚天動地。うーむ、無知ほど怖いものはない。そして、こういった事態に対処するべく公衆衛生政策が…

『神の法vs.人の法』

…評論社、2007) おすすめ。(1)フランスを騒がせたかの「スカーフ事件」を切り口に、政教分離の意味と意義を法学者と社会学者が検討する書。第一部では、法学者たちが政教分離を法学的に緻密に分析していて、問題点の整理に有益である。でも、読んでくと「んで、どーすりゃいいのさ?」という気になってくところが、じつに悩ましい。(2)第二部では、社会学者たちが、トルコ、ベルギー、ドイツにおける「スカーフ問題」を紹介しつつ論じている。イスラームひいては「他者」との付き合い方を考える際には地理…

『文明化の経験』

…波書店、2007) おすすめ。(1)数年前のことになるが、上智大学で歴史学研究会が小さなセミナーを開いた。中村政則さんが「言語論的転回」について報告したこのセミナーでは、ぼくもコメンテーターとして末席を汚した。「最後の講座派」と呼ばれていた中村さんの柔軟な思考に驚かされたり、そしてなによりも安丸さんにはじめて(そして、今のところ唯一)お会いする機会を得たことで、このセミナーはぼくの記憶の深いところに刻まれている。なにしろぼくは大学院生時代に『日本の近代化と民衆思想』(青木書店…

『理性ある人びと・力ある言葉』

…7、原著2004) おすすめ(だが、5700円+税は、ちょっと……)(1)とにかく暑い。すっかり疲れてはてて帰宅し、家族が(帰省中ゆえ)いない静かな家で、大内兵衛とその弟子たち(大森義太郎、脇村義太郎、有沢広巳、美濃部亮吉、高橋正雄)からなる「大内グループ」の歴史をたどるこの本を読む。(2)大内といえば、ぼくだったら、労農派マルクス主義の大立者であり、平賀粛学を頂点とする東京帝大経済学部内紛の当事者であり……という論じ方をすることだろう。ところが、ハインさんは、ぼくがみるとこ…

『突破する人びと』

…月書店、2007) おすすめ。(1)雑誌『ビッグ・イシュー』日本版をたちあげた人びとのルポルタージュ。思い立ってから1年で創刊にこぎつけてしまうバイタリティと、ホームレス支援を企画するにも「儲かりまっか?」精神を忘れないしたたかさに、感服。『ビッグ・イシュー』イギリス版の創刊者のひとりたるゴードン・ロディック(ザ・ボディ・ショップ会長)のセリフ「誰がチャリティーをしろと言った? ビジネスだ」(36頁)が、かっこいい。(2)でも『ビッグ・イシュー』日本版は年1000万円程度の赤…

『京大式フィールドワーク入門』

…T出版、2006) おすすめ。(1)先日のセミナーで伺った柳沢雅之さんの話が面白かったので、彼が仕切ったフィールドワーク入門書を一読。先行研究をケースとして話が進むので、地域研究の裏話を聞くような面白さがある。タンザニアの零細古着商人の思考&行動様式を探るために、自分も古着商人を営んでしまった!!、という第4章「フィールドでインタビューする」(小川さやか)が面白すぎ。そういえば、先日のセミナーで、京大式フィールドワークの牽引者のひとりである田中耕二さん(現在、京都大学地域研究…

『市民と憲法訴訟』

…信山社、2007) おすすめ。(1)厨先生こと稲葉くんのブログで知り、さっそく注文して一読。さすがは伝説の(元)東北大学助教授・遠藤さん、面白すぎ。人権論は個人間のトラストにもとづいて再構築されるべきだという提言を、ぼくらはどう考えるべきか。今から京都に出かけるので、とりあえず。【22日付記】(2)遠藤さんが仙台と東北大学を離れてから10年たつのか……それにしても彼はじつにユニークな人物であり、さまざまな逸話に事欠かなった。そのうち、今日まで伝えられているうわさ話をひとつ。な…

『歴史がつくった偉人たち』

…出版社、2007) おすすめ。(1)タイトルが「偉人たちがつくった歴史」ではなく「歴史がつくった偉人たち」であるところからして、ヤラレタ!!感が強い。博士論文がフランス語で刊行されて学術賞を取った長井さん待望の日本デビュー作は、パリはカルチェ・ラタンにある偉人廟「パンテオン」の歴史をたどりつつ、「いかなる人間がいかなる理由で偉人とされたか」からフランス史を逆照射する、小著ながら凝ったつくりの一冊である。あーあ、フランスに行きたいなあ、と西の空を見上げると、窓の外には豪雨と強風…